【国宝 東京国立博物館のすべて】はじめての東博が楽しめる国宝10件【東京国立博物館】#14

企画展

東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」を観覧してきました。

日本の国宝に指定されている美術工芸品902件のうち、約1割にあたる89件を所蔵する東京国立博物館。

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はじめての東博で見るべき日本の国宝は?

そんな方のために、おすすめしたい日本の国宝10件を選んでみました。

展示替えが行われる為、すべてを見られるわけではありませんが、見どころの参考になれば幸いです。

はじめての東博が楽しめる国宝10件

《松林図屏風》長谷川等伯

霧の中に浮かぶ松林。さわさわと風が木々を揺らす音が聞こえてきます。森林の空気が本当にそこにあるのではないか。深呼吸をしたくなる絵画です。

長谷川等伯は、天下人・狩野永徳に肩を並べた桃山画壇の巨匠です。智積院の障壁画のような豪華絢爛な画風で名を成しますが、後にこのような落ち着いた作品も残しています。この作品は日本水墨画の最高傑作とされています。

《納涼図屏風》久隅守景

仲睦まじく暮らす庶民の理想の家庭像。幸せを感じるときについて、絵を介して江戸時代の人々の心と交流することができます。

久隅守景は、狩野探幽の優秀な門人でありながら狩野派に破門され、農民の風俗画など独自の画業を残しました。この作品はその代表作です。

《孔雀明王像》

孔雀・明王・後背の均整のとれた構図が綺麗。淡いピンク色の蓮華座が美しい。金箔で施された文様が細かい。こんなに華やかな仏画が存在するのですね。

平安・院政時代には、藤原時代における仏画の美麗化の傾向をさらに押し進めて、耽美的で装飾性に富んだ作品が数多く残されたのだとか。

《秋冬山水図》雪舟

なんと言っても構図の構成力が抜群。そして大自然の輪郭の力強い筆致が印象的。時を忘れて没入してしまう、眺望の素晴らしい風景画です。

雪舟は、戦国動乱の京都を離れて、地方で山水画の独自の画風を大成させました。素晴らしい芸術には、平和な環境が必要なのかもしれません。

《古今和歌集(元永本)》藤原定実筆

流麗な仮名文字と華麗な装飾料紙(ここにも孔雀の文様が!)の組み合わせに魅了されます。

この典雅な和歌集冊子は、元永(平安時代末期)に書き写された最古の古今和歌集です。当時の宮廷の美的生活がうかがえます。

《医心方》

延年方(長生きする方法)、美色方(美容の方法)、芳気方(体臭を良くする方法!?)……と書かれています。はるか昔の人々も、今の人々と同じことで悩んできたのですね。悩んでるのは一人じゃない。

医心方は、日本に現存する最古の医学書です。平安時代の医者・丹波康頼により編集されました。

《紅白芙蓉図》李迪

思わず見惚れてしまう芙蓉の花。花びらの色の濃淡から感じられる瑞々しさと儚さ。四つの姿によって花の一日と一生が表されているのだそう。繊細な表現力に感服。

李迪は、中国の宮廷画家です。室町期に禅宗の移入と並行して、宋・元・明の「唐物」として輸入され、とりわけ将軍家コレクションに珍重された画家の一人です。室町の武家文化に愛された「唐物」の趣を伝えてくれます。

《舟橋蒔絵硯箱》本阿弥光悦

蓋が盛り上がった奇抜なフォルム、橋を表現するアイディア、教養の高さが成せる着想……作者の天才的なデザイン能力が遺憾なく発揮されています。

本阿弥光悦は、江戸初期に京の町衆からあらわれた多才な民間デザイナーです。光悦が指導したのが俵屋宗達であり、宗達から尾形光琳へと「琳派」の系譜が起こっていきます。

この作品に限らず、蒔絵や螺鈿など伝統工芸品の輝きや美しさは、是非間近で見て体感してほしいです。

《挂甲の武人》

教科書で見たハニワさんです。甲冑に太刀と弓矢を携えて武装していますが、顔立ちは素朴で人間味があります。彼こそが東博のプリンス。

挂甲の武人は、古墳時代後期のものとされ、当時の東国武人の姿を知ることができます。この度の大規模修理によって、弓が先まで復元され、より完全武装した姿でおでましです。

《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)》

細身の刀身で、切先へ行くにつれてより細く、反りも大きくなっていく優美な姿。刃の縁に沿って三日月の模様が浮かび上がります。鑑賞的価値の高い、雅な日本刀です。

平安時代の京の名工・三条小鍛冶宗近による作刀です。

おわりに

今回は割愛しましたが、第2部「東京国立博物館の150年」も是非じっくりとご覧いただきたいです。

金のシャチホコから金剛力士立像へ。

時代に応じて変化し続け、収集・修復・公開を通じて、今では国民の文化活動に供するという役割を全うする東博の姿に感銘を受けました。

ありがとう、東博。これからもよろしく。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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[参考文献]

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