山王美術館にて開催されている「ベストコレクション展」を観覧してきました。
山王美術館は、2022年9月に新たに移転オープンしたのですが、その開館記念として開催され、山王美術館を代表するコレクションを一望できるのがこの展覧会です。
山王美術館のコレクションは門外不出であり、ここでしか見られない名品を数多く所蔵していることで知られています。

山王美術館で見ておくべき作品は?
そんな声にお応えするため、私なりに「山王美術館で見ておきたいコレクションベスト5」をピックアップしてみました。
山王美術館を訪問する際の参考にしてください。
それでは紹介していきましょう。
第5位 小磯良平《休息するバレリーナ》
第5位は、小磯良平の《休息するバレリーナ》です。
西洋絵画で、バレエを主題にした作品でよく知られている画家といえば誰でしょうか。
それは、エドガー・ドガです。
この《休息するバレリーナ》は、小磯良平のドガ好きがうかがえる作品だと思います。
制作が1935年なので、小磯良平がフランス留学していた頃の作品になります。
ドガは、踊り子の舞台裏やリハーサル風景をよく描きました。
この作品も、通常見ることはない、舞台の裏側のバレリーナの姿が描かれています。
顔の気怠い表情や、足を広げて腰掛けているところなど、緊張を緩んだ様子がよく描写されていると思います。
ドガと異なる特徴を挙げるとすれば、ドガが動きを捉えることを得意としたのに対し、小磯良平は静かな時間を感じられる点でしょうか。
小磯良平の色彩は、日本の洋館に映えるような落ち着いた上品さが感じられるところが素敵です。
第4位 梅原龍三郎《軽井沢風景》
第4位は、梅原龍三郎の《軽井沢風景》です。
タイトルを見て驚きました。「これが軽井沢?」と。
それほどまでに、色彩が鮮烈です。
フランスの巨匠ルノワールが、渡仏して訪問してきた梅原龍三郎に色彩の才能を認めた話は有名です。
この作品には、彼の豊かな色彩感覚がよく表れていると思います。
また筆致も大胆で豪放です。
山の輪郭や雲など、面白い描き方がたくさん見受けられます。
些細なことに拘らず、美しいと感じた心そのままを表現しているようです。
それがまた自然の生命力を際立たせている気がします。
日本生まれの才能が、洋画としてキャンバスの上に遺憾無く発揮された作品だと思います。
第3位 上村松園《よそおひ》
第3位は、上村松園の《よそおひ》です。
日本画における美人画の美しさを感じられる作品です。
美人画といえば、最近、鏑木清方の美人画三部作が新たに国の重要文化財に指定されたことが話題になりました。
鏑木清方が東京で活躍したのに対し、上村松園は京都画壇の近代美人画の大家です。
京都画壇の巨匠竹内栖鳳に師事しました。
上村松園の作風は、気品あふれる女性。
本作でも、その特徴がよく出ていると思います。
上等な着物を纏い、襟を正し、少し緊張している様子。
視線の先にいるのは誰でしょうか。
余白の使い方、帯の模様の格調高さ、髷やかんざしの細やかな描写なども見どころです。
日本画の上品な美意識に触れてみてください。
第2位 藤田嗣治《家馬車の前のジプシー娘》
第2位は、藤田嗣治の《家馬車の前のジプシー娘》です。
ジプシーとは、ヨーロッパで移動しながら暮らす民族をさす呼び名です。
背後には彼女の住居と思われる馬車が描かれています。
心に何かを抱え、表立って表現することに自信なさげな少女の姿。
衣服の上部がはだけて、藤田の代名詞である「乳白色」の肌が露わになっています。
個人的に不思議なのは、顔の左半分と右半分(特に目)が異なり、2つの表情が描かれている点です。
子どもの繊細な心が、細い線描きと相まって、よく表れている作品だと思います。
第1位 ピエール=オーギュスト・ルノワール《裸婦》
第1位は、ピエール=オーギュスト・ルノワールの《裸婦》です。
人物、とりわけ女性を描くことに強いこだわりがあったフランスの巨匠ルノワール。
彼の晩年の特徴である暖かい色彩が使われた作品です。
印象派の表現で人物を描くことに行き詰まり、一度古典主義的な作風を経たのちの、到達点ともいえる表現です。
裸婦とその背景が一体となった、この上なく優しくて美しい色彩世界。
そこにある生命の豊かさが、心を満たしてくれることでしょう。
以上になります。
これを機に山王美術館を訪ねてみようと思ったり、そこであなた自身のお気に入り作品を見つけるきっかけになれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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[参考文献]
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