アートで心を動かして、人生を豊かにしよう!
今回行ってきた展覧会はこちらです!
「部屋のみる夢 ー ボナールからティルマンス、現代の作家まで」
2023年1月から神奈川県・箱根町のポーラ美術館で開催されました(巡回無し)。
「部屋」に関する表現に特徴のある作品を集めた展覧会です。

室内画の見どころが分からない!
そんな方のために、この記事では、実際に展覧会に行ってみて、室内画の魅力を感じることができた作品を5つ厳選して紹介します。
あくまで私が個人的に気になった作品なので、感想が違うところもあると思いますが、楽しんで読んでもらえたらと思います。
この記事を読むことで、室内画というジャンルの魅力を知り、あなたの美術鑑賞を充実させる一助となれば嬉しいです。
早速ですが、今回私が選んだ作品はこちらです。順番に解説していきます。
「部屋のみる夢」展(ポーラ美術館)で気になった絵5選

アンリ・マティス《窓辺の婦人》1935年(ポーラ美術館蔵)
部屋の机に向かって考え事をする女性。
青い半袖のシャツを着ていて、季節は夏です。
この絵のテーマとなる色は青でしょうか。ベランダから見える空と海、部屋の壁と女性の瞳。掃き出し窓のサッシが、部屋の外と中の色をつないでいます。
面白いのは、バルコニーの手すりの影までも青色で描いていること。また、モンステラの茎は全てを描かず、壁の色を優先しています。
明るい影が伸びる朝、カーテンが暖かさを伝える室内で、女性はいったい何を思い詰めているのかが気になります。
ベルト・モリゾ《ベランダにて》1884年(ポーラ美術館蔵)
ベランダの机に向かって何かに夢中になる少女。
彼女が触れているのは白い花でしょうか。子どもの可愛らしさを見事に切り取っていますよね。
庭の緑を背景に、少女のリボンや卓上の花など、鮮やかな青や赤が少しだけ散りばめられていて、家庭内に穏やかな開放感があります。
ベルト・モリゾは、ベランダやテラスなど、都外と室内の中間にあたる空間を好んで描いたそうです。
外の自然は特に何の植物が描かれているか分からず、印象派の傾向が強い作品です。
(ベルト・モリゾの作品については、こちらの記事でも取り上げています↓)
エドゥアール・ヴュイヤール《服を脱ぐモデル、マルゼルブ大通り》1909年頃(ポーラ美術館蔵)
部屋で服を脱ぐ女性。
赤の濁色を中心とした類似色でまとめられていて、閉鎖的で落ち着いた雰囲気の部屋です。
家具や調度品が細やかに配置されていて、生活者のこだわりが感じられます。
プライベートな日常をのぞき見しているような感覚にさせるという点で、画家の表現が成功しているように思います。
ヴュイヤールは、室内の身近な場面を得意とし、「親密派(アンティミスト)」を作りました。
ピエール・ボナール《浴槽、ブルーのハーモニー》1917年頃(ポーラ美術館蔵)
浴室で体を洗う女性。
ボナールの豊かな色彩はいつも目を喜ばせてくれるのですが、この作品は、調和のとれた青の空間の中で、彼女の姿勢の不自然さがどうしても気にかかります。
日常生活の何でもない一瞬を切り取ったからこその構図なのでしょう。ボナールもまた「親密派(アンティミスト)」と呼ばれる画家の1人です。
一方で、床や肌などに見られる光の表現は、モネやルノワールを思わせます。どうやらボナールは19世紀印象派の手法を引き継いでいる一面もあったようです。
ヴィルヘルム・ハマスホイ《陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地》1899年(ポーラ美術館蔵)
部屋で読書をする女性。
色彩が白と黒のモノトーン系に抑えられていて、静かな感じを与えます。
自然光の柔らかい光が差し込む窓のガラスは不透明で、外の世界と完全にはつながっていません。壁に架けられた画中画は不鮮明で、何が描かれているか分かりません。
閉じられた室内で、女性がただ1人窓に向かって椅子に腰掛けて、本の世界に入り込んでいます。そこにある静謐な時間になぜか心惹かれませんか。
ハマスホイ作品は国内に2点しか収蔵されていませんが、嬉しいことに、本展にはもうひとつの作品である《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》(1910年、国立西洋美術館蔵)も来ていました。
この作品もまた、奥の部屋でピアノを弾く女性の寡黙な背中が、部屋の安らかな時間を伝えていて、個人的に好きな作品でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
みなさまもぜひ好きな絵を見つけてください。
どの絵に惹かれるかは、もちろん人によって違います。何に心を動かされたかを知ることは、自分自身の状態や価値観を知ることにもつながります。お気に入りの絵を見つけることで、自分の人生をより豊かにしてもらえたらと思います。
好きな絵を見つけるには、まず作品集を買ってみましょう。例えば、ハマスホイの画集ならこれでしょう。
なぜ作品集が必要かというと、本当に好きな絵と出会うには、気になっている作家の作品をまとめて見るのが効果的だからです。一定量の作品を見ることで、その作家の気になる特徴について、あなた自身のイメージをより明確にできます。
その特徴がよく表れた絵が、あなたにとって特別な作品になるはずです。美術館で実物を見る際にも、好きなポイントに集中して鑑賞することができますよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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