こんにちは、あしあです。
東京都美術館で開かれている展覧会『ボストン美術館展 芸術×力』から帰ってきたので、そのお話をします。
予習
展覧会について
ボストン美術館のコレクションから、芸術作品が本来担っていた役割に焦点を当て、権力とともにあった芸術の歴史を追う展覧会です。
目玉作品は、日本にあれば国宝級の絵巻、《平治物語絵巻三条殿夜討巻》と《吉備大臣入唐絵巻》。
ボストン美術館について

ボストン美術館って良く耳にするよね!
ボストン美術館は、日本美術品コレクションとしても名高く、浮世絵や刀剣、絵巻物など日本美術の優れた作品を多数所蔵しています。
他ではエジプト美術やフランス印象派絵画も充実。
所蔵品は50万点近くに及び、世界あらゆる地域の古代から現代まで、まるで質の高い百科事典のよう。
《平治物語絵巻三条殿夜討巻》

三条殿夜討って?
「平治の乱」の一場面です。
平治の乱は、時の権力者である後白河上皇の側近の2人、信西と藤原信頼が対立して起こった戦乱です。
信西には平清盛、藤原信頼には源義朝(源頼朝の父)がついて争いました。
藤原信頼と源義朝が、後白河上皇が住む御所(三条殿)を襲い、上皇を幽閉したのが三条殿夜討です。
ところが、平清盛の反撃にあい、この争いは藤原信頼・源氏側が敗れました。
義朝は命を落とし、子の頼朝は伊豆へ流されることになるのです。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のプロローグだな。
《吉備大臣入唐絵巻》

吉備大臣って?
奈良時代の官僚・学者です。遣唐使として唐に渡りました。
この絵巻は平安時代後期以降に後白河法皇が作らせたと言われています。

大陸の権力者をどう思っていたのだろうね。
鑑賞
ボストン美術館展は、歴史が好きな子ども(特に高校生、中学生)に連れていってあげたい展覧会です。
(追記:高校生以下はなんと観覧料無料です!)
①歴史の物語の面白さがわかる
絵巻物は、まるで現代でいうアニメーションです。
歴史上のできごとが時にはダイナミックに(平治物語絵巻)、時にはユーモラスに(吉備大臣入唐絵巻)描かれています。
面白いと思った場面をきっかけに、その背景を自ら調べていくと歴史に対する理解が深まりますね。
②権力の表され方が国によって違うことがわかる
《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》は、力の象徴そのままにナポレオンを表現しています。権力の正統性も示されています。
一方で、日本の《平治物語絵巻》では後白河上皇の姿が見えません。
権力者の力をどう表すかは国によって様々で面白いです。
③権力者による芸術活用術が知れる
第2章の作品群から、天上の世界や神々のテーマを美しく表現し、なおかつそこに為政者とのつながりを暗示することで、力を示そうとしていることが感じ取れます。
また第4章では、芸術品を贈答品や貢ぎ物として扱い、自身の権威を示してきたことがうかがえます。
補足:現代における芸術と力の関係を考える力が身につく
今の時代の「芸術」として思い浮かぶものはなんだろう。
それに「力」はどう関わっている?どんな影響力がある?
逆に、現代の「権力者」は、芸術とどう付き合っている?
観賞後にそんなことをアレコレ考えてみるのも楽しいですね。
ちなみに所要時間は約80分でした。
以上、参考になりましたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
絵巻物は古代のアニメだ
あしあより
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